効果
アレクサンダー・テクニークは、姿勢が良くなり肩こりや腰痛に効く事で、知られていますが。実は他にもいろいろな事に使えるのです。
- 健康面 − 姿勢を良くし、筋肉痛等の改善(腰痛、肩こり、腱鞘炎、緊張からくる頭痛等)
- パフォーマンスの向上 − 音楽家、ダンサー、俳優、スポーツ選手、武道家、ビジネスマンなど
- 自己を高めるトレーニング
健康面
慢性の肩こりや腰痛の原因 一般的な慢性の肩こりや腰痛のほとんどは(事故や生まれもっての障害等は別として)、間違った体の使い方や姿勢が原因です。自然で正しい姿勢だと、体重が骨格にうまくかかり、無駄な力が入りませんが、一旦このバランスが崩れると、筋肉が余分な働きをして支える事になります。これを長時間繰り返していると、過度の緊張状態が続き、慢性の筋肉痛につながります。バランスが崩れた状態で筋肉の緊張が続くと、だんだん骨格が歪んでいき弱い所に負担がかかり、色んな症状が連鎖して起こってきます。腰痛や肩こりなどは、それの典型的な例です。 アレクサンダー・テクニークでは、まず余分な力を抜くトレーニングをし、自然に体が解放されるように導きます。そして、今までやっていた、自分のくせに少しずつ気づいて行く事によって、自分の体の使い方を少しずつ改善する事が出来ます。 あやふやな感覚 ただ、ここで難しいのは、人間の感覚とはかなりあやふやで間違っている事が多いのです。自分で思っていたまっすぐな姿勢が、実は間違っているかもしれないし、何が正しいか解らなくなっている可能性が高いのです。これは、人間の感覚が繰り返しによって、少しずつずれて行く事に起因します。新しい靴の底が、長い間はいているうちに、少しずつすり減っても解らないのと同じように、人間の体も毎日の生活で繰り返し同じ動きをする事で、少しずつ変化していきますが、それに気づく事は中々難しいのです。アレクサンダー・テクニークのレッスンでは、教師が手と言葉を使って、生徒さんの間違った体の使い方を気づかせてあげ、自然な状態に戻していくのです。 腰痛のリサーチ 2008年に、ポール・リトル博士率いるAチームが、イギリスのブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに、慢性の腰痛に関してリサーチの結果を発表しました。このリサーチでは、アレクサンダー・テクニークのレッスンとマッサージと運動の効果を比較しました。これによると、アレクサンダー・テクニークの個人レッスンは、慢性の腰痛に効果がある事が証明されました。英語ですけど、興味のある方はこちらをご覧下さい。BMJ Article パフォーマンスの向上 アレクサンダー・テクニークは、音楽家、ダンサー、俳優、スポーツ選手、武道家、ビジネスマンなどのパフォーマンスの向上に多く使われております。イギリスの音学大学では、アレクサンダー・テクニークを必ず教えていますし、演劇学校でも、取り入れている学校はたくさんあります。音楽家は、長時間同じ動きを繰り返すので、故障する人が凄く多いので、アレクサンダー・テクニークを使って無駄な力を抜き、体の自然な動きを引き出す事で、故障防止につながります。心身の余分な緊張を取る事で、パフォーマンスが向上し、上がることも少なくなるのです。これは、ビジネスの交渉などにも応用されています。 自己を高めるトレーニング 体と心は深い関係性を持っているので、体が変わると、精神状態にも大きく影響します。例えば、常に慌てる癖のある人は、体も緊張している事が多いのですが、体の緊張がほぐれると精神的にも落ち着くのです。不安や落ち込みやすい人は、大抵姿勢も落ち込みがちなのです。無駄なく自然に背筋を伸ばす事が出来ると、気分にも良い影響あれが出てきます。* このように、心身の反応に気づき癖の反応をやめていくことで、体だけではなく心にも深く影響を与え、自己を高めるトレーニングとしても、アレクサンダーテクニークを、長く続けられる方もおられます。 *(アレクサンダー・テクニークは、身体的又は精神的な治療の代わりになる物ではないので、治療の必要がある方は、必ず医師又は精神科医の治療を受けて下さい。) 止める訓練 アレクサンダー・テクニークのトレーニングを深めていくと、実はこのテクニックは精神的な側面が最も重要である事が解ってきます。アレクサンダー・テクニークの根底にあるのは、inhibition(抑制)と言って癖の反応を抑えていく事なのです。抑えるとゆうと、感情をおしこらえるような感じがしますが、実はそうではなく、過度に反応しないように止める事なのです。いわば武道の達人のように、いちいち過度に反応せずに受け流していくのです。そして無駄な反応をしない事によって、最も自然な物が生まれてくるのです。これは、武道や芸術しいては瞑想にも、通じるところがあると思います。このテクニックは、かなり深く追求出来、初めは解らないと思うので、こんな物のかと聞き流しておいて下さい。 |